相手を巻き込む伝え方
《 本書序文より 》
なぜ今「提案力」が必要なのか?
本書における「提案」とは、「新しい何かを創り出し、現状を変える」ためにとる行動というイメージです。新しいテクノロジーの出現、世の中の価値観の変化、それにともない、今いる組織や、ご自身が変化を迫られているという方も多いと思います。自分自身が今の現状に対して十分なやりがいや意味を感じられず、それゆえ何かを変えたいという方もまた多いのではないでしょうか。
現状を変えるためには、今とは違う何かを生み出していく必要があります。「新しい環境に進む」「新しい商品やサービスを創出する」「新しいやり方・働き方を考える」「新しい仕組みをつくる」など。そのためには、周囲を巻き込み、形にしていくための「提案」が不可欠になってきます。
また、「誰かから何かを求められる」ことを基点に仕事をするという場合でも(多くの方がこちらの場合のほうが多いかもしれませんが)、ただそれに応えるだけの人と、そこからより深いニーズを探り、よりいいものを生み出そうとする人とでは、大きな違いが生まれるのは言うまでもありません。
変化のスピードが驚くほど速い現代では、精緻に準備して必要と思われることをすべてそろえたうえで提案するのではなく、“不十分でもやる”という感覚が必要です。予測が困難で、精緻な分析から合理的な解を見出すのが難しい中でも「それをする意味がある」ことを伝え、周囲を巻き込み動くためには何が必要なのか?本書では、その観点と方法を紹介していきます。
自らが、進んで「新しい何かを創り出し、現状を変える」にしても、あるいは、誰かから何かを求められることをきっかけに「新しい何かを創り出し、現状を変える」にしても、これから本書の中で語る提案の観点と方法は、きっと役に立つと思います。
【主要目次】
はじめに ――本当は“伝えたいこと”がたくさんあるのにうまく伝えられないあなたへ
プロローグ
第1章 〈着想〉提案は3つの意味を重ねること
STORY.01 酷評
この指とまれ!
着想の起点を変える
インサイドアウト起点とビジョン起点
インサイドアウトの手がかり
意味とは何か
マーケティングの新4P
3つの意味が重なれば人は動く
〈世の中の変化の潮流1〉SDGs
〈世の中の変化の潮流2〉エクスポネンシャル思考
意味のイノベーションを起こせ!
第2章 〈構成〉提案を「物語」にする4つの「型」
STORY.02 「型」を知る
提案を物語にする4つの「型」
1枚で十分に伝わる
「型」を使う3つのメリット
未来=Vision
シフト(変化)をイメージする
イメージを豊かにするオノマトペ
見えていないことを見せる
今なぜ=Why
気づきを生んだひと言
必然性を生むシリアス・ビジョン
価値=Happy
どうする=Key-idea
第3章 〈表現〉提案の「解像度」が上がる物語の5要素
STORY.03 父の会社へ
相手の心に響かない……
物語の5要素
臨場感でイメージの解像度が上がる
体験は臨場感の源泉
親ビジョンと子ビジョン
相手は相手の眼鏡で世界を見ている
相手の真に望むことに耳を傾ける
第4章 〈解放〉「提案」を楽しむ心の状態をつくる
STORY.04 不安
提案が苦手だと感じる根底にはあるもの
必要な緊張といらない緊張
周りの評価なんてクソくらえ!
怖れのメカニズム
言葉で自分を解放する
視座を変えると見方が変わる
自分のビジョンがもたらしてくれるもの
エピローグ 2年後
- 価格
- ¥1,650(税込)
- 出版
- フォレスト出版
- 著者
- 鵜川洋明
- イラスト
- トツカケイスケ